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人に助けを求められない人間関係を回避する人の心理とは?~回避性愛着障害 -絆が希薄な人たち-

人との間に信頼関係を築くことを回避し続けることで孤立し、助けを求められなくなってしまう。

人と親密になるのを避けてしまう、一人の方が気楽、結婚や子どもをもつことに消極的、責任や束縛を嫌う、傷つくことに敏感、失敗を恐れる……。そういった特徴をもつ人が急増していると言われている
回避型の本質は、不安が強いとか消極的ということではなく、親密な信頼関係や、それに伴う持続的な責任を割ける点にこそあるということだ。
問題やトラブルが起きても、自分の力だけで解決しようとすることになりがちだ。人に相談したり、解決を手助けしてもらったりということが苦手なのである。その結果、孤立無援の中で、一人奮闘するということになる

今回ご紹介する本は、岡田尊司先生が書かれた「回避性愛着障害 ~絆が希薄な人たち~」という本です。学校や仕事など、日常生活で問題が発生した時に、一人で抱え込んでしまう時はありませんか?人に相談することが面倒、干渉されるのも苦手と思っていませんか?

そういった傾向がある人は、人間関係を築くことを回避しているともいえるでしょう。 このような傾向の背景には、「愛着」と呼ばれる 人と人との絆を結ぶ能力がうまく形成できていない可能性があります。人間関係の構築を回避することで、社会適応ができなくなっている場合、この本の中で語られている「回避性愛着障害」と言われる症状に該当します。

他者との親密な関係が築けていない結果、問題が発生した時に支えてもらうことができない。その結果、ストレスがたまり精神を病んでしまうケースもあります。「え、あの人が自殺!?」と言われるようなケースの背景になっているのかもしれません。

では他者との信頼関係を築く上で必要不可欠な「愛着」とは一体なんなのでしょうか。

人との信頼関係を築く上で必ず必要な愛着。愛着が希薄になってしまう原因とは?

根底に、愛着が稀薄な回避型愛着スタイルが広がっているということが浮かび上がってくる。それが、社会適応に支障を来すレベルになると、回避性愛着障害と呼ぶべき状態になってくる
昨今増えている回避型には、子どものころに親から強い支配を受けたタイプがあり、このタイプの人は、人に甘えられない面と、親や配偶者に過度に依存してしまう面を併せ持つ。それゆえ親離れや自立にも困難を抱えやすい。
いじめを受けたり、失敗して恥をかいたりした体験も、回避性の傾向を強めるきっかけとなる。こうした体験によって対人関係にネガティブな期待しか抱かなくなった結果、親密な関係を避けるような反応をしてしまうのである

人が愛着を形成するうえで、一番重要な期間は1歳半までの間とされています。愛着を形成する上で重要なのは母親との関係性とされており、この時期にスキンシップ(抱っこなど)がどれだけあったのか、安心と愛情がどれだけ注がれたのかで、その後の愛着形成に影響がでます。

この時期に親がいなくなってしまったり、ネグレクトや虐待が行われれば、愛着が不安定なものとなり、人に対しての信頼を持てなくなってしまうでしょう。またこの本とは別で、岡田先生が書かれた本(愛着障害-子ども時代を引きずる人々→ハイパーリンク入れる)では、幼少期に形成された愛着は 七~八割の人で生涯にわたり持続すると書かれています。

しかし、親との関係性が全てではなく、学校生活などでのいじめや、失敗体験が原因で人と関係性を築くことを回避する傾向が強まることもあります。成長し社会に出ていくにつれて、その傾向が自分自身の首を絞めてしまうことにも繋がってしまいます。

人間関係を回避する傾向にあり、大学生や社会人になった人が、愛着を修復するには何が必要なのでしょうか?

安全基地を持ち愛着を修復するには?

人生が行きづまり、落とし穴にはまったとき、それを救うもっとも有効な手立ては、安全基地を強化し、愛着を安定化させることなのである
問題にあまり囚われず、愛着の改善に努めることが重要なのである。その場合のポイントは、安全基地を確保することである。安全基地が確保されると、愛着も安定化し始める
安全基地とは、決して都合のいい逃げ場所を、際限なく一方的に提供することではない。あくまで自立を前提とした支えであり、相手にもそれなりの努力と自制を求めることは必要である。

愛着を形成するカギを握るのは安全基地となる人との繋がりです。 安全基地とは、子供にとっての母親などの愛着の対象となる人が提供する安心感や保護などを保証した環境のことを意味します。つまり、共感的言葉を投げかけてくれる、肯定してもらえる居心地のよい関係性が必要なのです。

これは、カウンセリングの場でも同じことがいえるとされています。本の中で紹介されていた研究では、カウンセリングによる治療の効果を左右するのは、治療の方法ではなく、相談者の気持ちを汲み取り肯定的にみて、居心地のよい関係を保ち、カウンセラーが安全基地となり良好な状態が維持できたが重要だということが判明しました。

ただ、安全基地となる人も依存関係になってしまえば、負担や苦痛となり支え続けることはできなくなってしまいます。個人的には、安全基地は何か傷ついたりした時に帰れる場所、というような捉え方をして、「何かあっても自分を支えてくれる人がいる」という安心感を持って物事に取り組むことが大切だと思います。

おわりに

いかがでしたか?今回は 回避性愛着障害~絆が稀薄な人たち~を紹介しました。自分自身のトラウマになるような体験とも向き合う必要がある部分もあるため、この問題に向き合うのは難しい部分もあると思います。この本には、書評内で触れた人間関係の回避をどうやって克服するかについて、さらに詳細が書かれています。

また職場や恋愛などの場面で、回避型のタイプの人が抱える悩みや問題についても詳しく触れており、私も読んだ際に実際の生活であるあると思ってしまうことがたくさんありました。

気になった方は、初めの一歩として、まず「第六章 回避の克服」の部分を読んでみてはいかがでしょうか?